2014年4月12日土曜日

Adventure Time #140 Dungeon Train

シーズン5後半にもいくつかホラーな感じのエピソードがあったAdventuer Timeですが、中でも#140 "Dungeon Train"が個人的に一番コワかったです。

このエピソード、見る人を殊更にビビらせようという話ではないと思うんですが、なんというか、じわりじわりと心が重くなる怖さがあったなあと。

フィンとジェイクが森の中で見つけた謎の列車。その中には無限に続くダンジョンが広がっていた! フレイム・プリンセスの一件でここ最近塞ぎ込みがちなフィンだったが、大好きなダンジョンを目の前にしてすぐさま元気を取り戻す。 しかし文字通り延々と続くダンジョンにジェイクはすぐうんざりしてしまうのだった・・・、というお話。

ということで、"Mystery Train", "Mystery Dungeon"に続く"Mystery Dungeon Train"三部作の完結編・・・というのは冗談ですが、他二つに負けず劣らずミステリアスなこのエピソード。

まずこのダンジョン・トレインがなんとも言えず不気味なんですよね。

輪になった線路をただグルグルグルグル回っているだけの列車。 つながっているのは全てがらんどうの貨車であり、これといった動力源も見当たらないのになぜか動き続けている。 うーん、なんとも不思議。

そもそもフィンとジェイクはフランボの兄ちゃんから聞いた洞窟を探しにやってきてたんだけど、とりあえず列車の中に入ってみることに。 そこで二人はすぐに、この列車自体がダンジョンになっている、まさにダンジョン・トレインであることに気づく。

しかしこのダンジョン・トレイン、今まで登場したどのダンジョンとも違う、根本的に異質な代物だった!

ダンジョン・トレインのルール その1:各貨車は全て例外なくタイル張りの大部屋であり、原則的に出入り口は前後の2つのみ。中には物言わぬモンスターが待ち構えていて、侵入者に襲いかかる。

この長方形の部屋と、タイルと、規格化されたモンスターの感じとか、初代ゼルダの伝説を彷彿とさせるなあ。

ダンジョン・トレインのルール その2:モンスターはそれぞれ武具や宝石や魔法のアイテムを持っていて、倒せばそれを奪い取ることができる。別の貨車に入れば、また新たなモンスターが現れる。

こういうところを見ると、ゼルダよりもむしろローグが近いのかもしれない。

ダンジョン・トレインのルール その3:時折、武装したボスモンスターが貨車の外から現れる。倒せばやはり、その持ち物を奪い取ることができる。

とまあ、基本的にこれの繰り返し。輪になった貨車をひたすら前へ進んでいれば無限にダンジョンに潜れる。それがダンジョン・トレイン!

うーん今までの洞窟ダンジョンとかと比べて何が不気味って、この極めて人工的なルールですよ。一体、この列車とこのルールを考えた人物は何の目的でこんなものを作り上げたのか? いろいろ考えてしまう。

で、大喜びでダンジョン・トレインのモンスターをしばきまくるフィンだったが、一方のジェイクはこの単純作業の繰り返しにすぐに飽きてしまう。

あー、なんかこれも分かるなあ。 この手のゲームって好みが別れそうな気がする。 レアアイテムが出るまでひたすらザコを狩り続けられるかどうかとか。

いい加減お腹がすいてきたジェイクはいったんツリーハウスに戻ろうと言うが・・・

ダンジョン・トレインでは食料すら手に入るのだった。 まさにローグ!

ダンジョン・トレインにすっかりドハマりしてしまったフィン。 それを見てなんかイヤな予感がしてきたジェイクだが、あるものを見て予感が確信へと変わる。それは・・・

魔法の水晶に映し出される、年老いた未来のフィンの姿!

うーん、ここまで来るとだいぶ怖さがにじみ出してくる。 人がネトゲやパチンコにドハマりしてしまう心理に通じているような気がして、この状況が妙にリアルに感じられるんだよなあ。 他人事のような気がしないというか。

これを見せられてもなお、フィンはダンジョンに潜ることを止めようとしない。 見かねたジェイクはついにフィンを残して列車の外へと出る。

ここのフィンのセリフ

"No, man. It's better on the train. Stuff make sense here."

何気ない一言なんだけど心に刺さるなあ。 作られた世界と違ってこの世はなんとmake senseしないものか。

ともかく、結局屋根の上で一夜を過ごしたジェイクは、翌朝、フィンを探しに再びダンジョン・トレイン内部へ。

そこにいたのは、ボスキャラばりに武装したフィンだった!

気が済むどころか一層ハマってしまっているフィンを見て、ジェイクは力ずくで外へ連れだそうとするが・・・

フィンの強力な武器によって返り討ちにされてしまう。

このシーンはほんと痛ましくて目を背けたくなるほどですね・・・。 フィンとジェイクが大ゲンカする話は以前にもあったけど、あのジェイクがここまで一方的に心を折られてしまうとは。

ジェイクから奪い取った魔法の水晶を覗き込むフィン。 そこにはダンジョンに潜り続ける自分の姿に加え、それに付き従うジェイクも映っていたのだった。

水晶を見てこの惨状にようやく気づいたフィンは、ジェイクを助け出し、ダンジョンの外に出ることを決意する。

・・・といった話だったんですが、それにしてもこのラスト、なんでフィンとジェイクが一緒に外に出るようにしなかったんだろう? 多分、フィンはこの後ちゃんと外に出たのだろうけど、そのシーンをあえて入れなかったのはなぜだ。 そう考えるとこのラスト、実はスゴいのかもしれない。絶妙な後味の悪さというか。

他にも、この話にはいろいろ後味の悪いところがあってですね。

例えばボスモンスターとしてダンジョンを徘徊していた他のプレイヤーはどこから来て、フィンに倒された後どこへ消えたのか?とか、 フランボの兄ちゃんはもしやダンジョン・トレインの存在を知っていた上でフィンとジェイクに洞窟の情報をタレコんだのか?とか。

そんなことをグルグルグルグル考えてると、やはり背筋がゾッとするような気分になってくるエピソードでした。

0 コメント:

コメントを投稿