2015年4月4日土曜日

Regular Show #178 Format Wars II

突然ですがここで、Regular Showのエピソード#178 Format Wars IIのレビューをやります。 ほんとはもうちょっと早くやるつもりだったんですが、いろいろバタバタして遅くなっちゃいました。

このエピソード、30分スペシャルとかではないんですが、スタッフのただならぬ気迫を感じさせる凄まじい話だった! TVの前で大笑いしてしまう話なのに、それでいて胸を刺すような名セリフも随所に散りばめられていて、 ただ面白いだけじゃない深いメッセージ性がスゴい。

Format Wars IIは実はシーズン4のエピソード#113 The Last LaserDisc Playerの続編。 ということで、まずは前回のあらすじをダイジェストでどうぞ。

#113 The Last LaserDisc Player

ーー 時は199X年。レーザーディスク派にとって暗黒の時代であった。

登場当初、レーザーディスクはその優れた画質と音質によって消費者の支持を得ることとなった。 しかしその台頭を危惧した競合フォーマットVHSは、圧倒的な武力を背景にレーザーディスク派を弾圧。 ついにレーザーディスクは市場から姿を消すこととなってしまう。

レーザーディスクそのものの消滅を恐れたレーザーディスク派は、残された最後のレーザーディスクプレイヤーを持って図書館の地下深くに潜伏。 来たるべき予言の時を信じ、静かに機をうかがうのであった。

そんな中、最後のレーザーディスク「21-12 Time Attack 〜ディレクターズカット版〜」を携えた4人の選ばれし「ディスク・マスター」がついに現れる!

ディスク・マスターの祈りによって封印を解かれたレーザーディスク・ガーディアン。

ガーディアンの神秘のパワー(44.1kHzサンプリングオーディオ)はVHS軍のテクノロジーを圧倒! 永遠に続くかと思われたフォーマット戦争に終止符を打ったのであった。


・・・というわけで、この一連の話はフォーマット戦争が元ネタなんですが、正直、自分はレーザーディスクって言われてもピンと来ないんですよね。 まあ、Wikipediaでだいたいのイメージは掴めるかな。

この記事をまとめるとこんな感じ?

フォーマット戦争というとなんと言っても有名なのが「VHS vs. ベータ」の戦いだけど、#113で描かれたのはその後のレーザーディスクとVHSの戦いですね。 コチラの世界の歴史では、VHSがレーザーディスクを破り、その後DVDが取って代わり、現在はHD-DVDを破ったBlu-rayとDVDが共存している、ということだと思います。

しかし#113では衰退したかに思われたレーザーディスクがなんとVHSに勝ってしまった。 そんな「もしも」の世界を描いたのが#178 Format Wars IIなんですが、そうすると次に来るのは・・・

#178 Format Wars II

あの壮絶な戦いから3ヶ月後。 VHS軍の弾圧から解き放たれた市場は活気を取り戻し、電器店やビデオショップにはレーザーディスクが満ちあふれていた。

束の間の平和を喜ぶディスク・マスターたち。しかし、そんな彼らの前に最強最大の敵が立ちはだかる!

レーザーディスク・ガーディアンの息子、DVD! そしてDVDと手を組んだ心無き殺戮マシーン、インターネット!! インターネットと戦うって、どういう世界観なんだコレwww

それにしても、ここから先はほんと名言につぐ名言の連発で!

「データ容量がデカいだけじゃあないぜ。 俺はあんたより小さく、コンパクトだ」

「残念だったな、若造。人類はいつだって大きなものを愛してきたのだ。こんなものを欲しがるやつがいるものか!」

いや、そういうことなのかなあwww

ともかく、ついに火蓋が切って落とされた第2次フォーマット戦争。 DVD・インターネット連合軍の猛攻に対し、ディスク・マスターらは旧式フォーマットガーディアンとビデオ屋の店員の助けを借りて応戦する!

しかしながら、健闘むなしく追い詰められる旧式軍とレーザーディスク・ガーディアン。

「俺がまだほんのミニディスクだった頃、あんたは俺とおふくろを捨てた・・・。」

DVDって子どもの頃はMDだったのww

お互いの胸の内を吐露するDVDとレーザーディスク。 和解の瞬間が訪れるかと思った矢先、インターネットが動く!

「親父ーーーーーー!!」

インターネットは自分以外の全てを時代遅れとみなす存在。 初めからレーザーディスクもDVDも葬り去る算段だったのだ!

DVDは必殺技「特典映像(special features)」を繰り出すも、インターネットの鉄壁の装甲には傷ひとつつかない。

「特典映像なぞ誰も気にも止めない。重要なのは唯一つ、コンテンツだ。コンテンツが直接PCやタブレットに送られるのだ。TVは死んだ。お前もだ。」

このセリフをTVで流してるんだからスゴいww しかもRegular ShowのDVDにだって特典映像つけてるじゃないか! この回、スタッフはどんな気持ちで作ったんだろう?

「てめえには、情けってもんがねえのか!?」 「404 Not Found」

誰がうまいこと言えとwww

「インターネットはもう誰にも止められねえ。このままじゃ、この世界にはWebに転がってるクソ画質の圧縮動画しかなくなっちまう!」

ここのセリフもいいですねー。 最高の作品を作りだそうとするクリエイターと、それを最高の品質で視聴者へ届けようとする技術者の魂の叫びのようにも聞こえる。

そんなこんなで、インターネットを倒すために共闘することになったディスク・マスターとDVD。

ディスク・マスターはあらゆるデバイスを制御できる「ユニバーサル・リモコン」を使ってインターネットのエネルギー源であるWiFiサーバーを総攻撃! 見事これを破壊し、再び戦争を終結に導いたのであった。

こうして、ディスク・マスターの活躍によりインターネットの脅威は去ったかのように思われたが・・・

「消費者にとって品質は優先事項ではない。無料のストリーミングコンテンツこそが全てを支配するだろう」

おいもうやめてくれよ! TV局の偉い人から怒られるぞ!!

ということでこのエピソード、インターネットの存在がTV業界や映像コンテンツ制作者にとって黒船的な脅威になっていることがよく分かる、 ほとんどドキュメンタリーな作品でした。

この話では旧式たちが手を取り合って最終的にインターネットを倒したんだけど、現実はもちろんこんなハッピーエンドになっていないんですよね。 なんというか、残酷で無慈悲なインターネットに向き合いながらも映像作品を作り続けるスタッフの苦悩がセリフの端々から漏れ出てきていてヤバい。

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